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高等教育機関向け教材 導入事例

教材を導入された先生方の声を紹介しています。
各事例の詳細は「この事例を見る」をクリックしてご覧ください。
2017
アーテックロボが産み出す新しい学び
株式会社情報通信総合研究所
ICT創造研究部 特別研究員 平井聡一郎 様

授業での使用方法

茨城大学教育学部の講義のなかで、教員志望の大学生・大学院生たちにプログラミング授業を体験してもらうことで、中学校技術での『アーテックロボ』活用の可能性を検証しました。また、『アーテックロボ』が新たにiOS に対応したため、タブレット端末の『iPad』を使用して授業を行いました。

講義では「自動追尾自動車の制作」をテーマに、まずは単純な課題解決を通して基本的な操作の習得をはかり、次にスピードを変えて進む先導車のプログラム、そしてその先導車の動きに合わせて追尾する車のプログラミングという流れを2人1チームで取り組みました。

アーテックロボを使用した感想

学生たちは、初回に子ども向けのプログラミングソフト『スクラッチジュニア』を使用したビジュアルプログラミングを体験したうえで『アーテックロボ』を使用したフィジカルプログラミング(実機をプログラムで操作すること)を経験しました。このことで、画面上だけのプログラミングではつかみづらい、現実のプログラミングの難しさを実感していました。

学生自身による振り返りでも、「アーテックロボを使ってみて、試行し数値を変えてまた試行することの大切さがわかった。アンプラグドのプログラムでは、こういった繰り返し試してみるという事態はなかなか起こりにくいため、フィジカルプログラム特有のものとして授業を行う上で重要になるのではないかと思った。」と実際に試行錯誤を経験することの重要性があげられていました。

この活動でたくさんの思考が生まれ、私自身も改めてフィジカルプログラミングの重要さを実感することができました。

赤外線センサーを使用した自動追尾車を制作した。

全国の先生方におすすめするポイント

ブロック系の教材の場合、その組み立てに時間がかかっては本来の教科のねらいの達成のための時間が取られますが、『アーテックロボ』は、ブロックの構成がシンプルであるため、容易に作り上げることができます。また、そのシンプルさは管理の面でも優れており、実習の準備、片付けに時間をかけずにすみました。私は、小中学校では「教材はシンプルで汎用性があるものがよい」と考えています。きっと、いつも使うほど、長く使うほどに『アーテックロボ』のよさが実感できることでしょう。また、iOS に対応したことで学校現場における使用環境が拡がったのも利点のひとつと思います。

制作したロボットを廊下で走らせてみる。

生徒たちの反応

「画面上でのプログラミングでは、コンピュータがどう制御しているのか想像しにくいが、ロボットが動くことによって問題が明確化しやすく、子供たちもいきいき授業に取り組めると考える。」など、学生の振り返りも、講義のねらいを的確に捉えており、教材が指導の目的と合致したと言えるでしょう。

2016
食育支援ロボットの開発
~食物の色から生きるための知恵を学ぶ~
沼津工業高等専門学校 教授 大津孝佳先生

地域における活用

食の安全と健康の増進の観点から子ども向けの食育教材の開発が望まれています。そこで私たちは静岡県富士市と連携し、食育教材の開発を行い富士市の食育キャラクターである「むすびん」をアーテックロボで表現した食育ロボットの開発を行いました。食物の色、栄養素、ロボットの動き、音、光を関連付け、その規則性を発見し食材への関心を高めることを目的としています。

富士市では食育を4つの色で教えています。ごはんやパンの主食は黄色、肉や魚の主菜は赤、野菜やキノコの副菜は緑、乳製品は青です。そこで、全ての色のブロックをとることで、ロボットが迷路を脱出することのできるゲームを考えました。むすびんロボットは、色センサーで4色を認識して、LEDの点灯や動作、移動方向が変わります。私たちはこのむすびんロボットを使って私たちは地元の幼稚園に出向き、ロボットによる食育推進活動を行いました。

アーテックロボを使用した感想

子どもたちの大好きなブロックがロボットになり、カラーセンサーによる色の認識や、LEDによる光の点灯、超音波センサーによる位置認識、サーボモーターや DCモーターによる動作を組み合わせて、子どもたちがロボットに食べさせる(カラーセンサーに色を表示する)ことで、ロボットの様々な動きを観察し、そこから色と動作との「規則性の発見」をすることができます。

正に「創造教育」の原点であるこの富士市浜幼稚園での食育の実践において、高等専門学校の学生によるロボットの設計・製作のみならず、動作環境に応じたブログラムでの対応のしやすさなどもアーテックロボの魅力です。

食育ロボットの「むすびんロボット」。
高校生への体験学習、大学生へはライントレース+αの
ロボコンスタイル
国立大学法人九州工業大学 工学研究院 教授 中尾 基先生

授業での使用方法

①工学部1年生への初年次必修科目PBLでのグループワーク(工学総合システム工学科の必修科目にて90分×3コマ)
 ※ライントレース+αのロボコンスタイル
②高校生への体験学習(180分~210分)
 ※ライントレース+αのロボコンスタイル
③高校生への出前講義(60分~90分)
④小学生への出前講義(45分~120分)※主に、衝突回避ロボカー製作

アーテックロボを使用した感想

大学生の本格的プログラミング教育前のシーケンシャル・論理的思考の教育に適しています。PBL(課題解決型学習)スタイルでの実施により、主体性、コミュニケーション能力の涵養に有効です(「アーテックロボ」と「PBL」との相性は非常によいと思います)。
高校生へのロボット工学、電気工学、プログラミングへの導入に向いている
小学生への理数教育(STEM教育)に有効
小学生~大学生に対して、プログラミングの苦手意識なしに実施できる

上記の授業の実施により小学生~大学生に対して、試行錯誤で物事を進めていく体験、重要性を植え付けることができたと考えています。

全国の先生方におすすめするポイント

大学での初年次教育を担当されている先生にはPBLスタイルによるグループワークをおすすめします。高校・大学等にて情報科目を担当されている先生には、情報科目でのプログラミング(言語)教育前の導入教育に適していると考えます。高校等での総合学習を担当されている先生には、より時間をかけた課題学習(PBL)でのグループによる実施が望ましいと言えます。

2015
自分だけのアーテックロボを作る喜びと
プログラミングの楽しさを実感
S.K.K.情報ビジネス専門学校 応用システム学科・情報システム学科 教員

授業での使用方法

応用システム学科、情報システム学科の機械制御プログラミングの実習機材として導入し、赤外線フォトリフレクタを使用したライントレーサーのプログラミングを行いました。シーケンス制御とフィードバック制御の違いや、モデリングによる分析・設計の手法を学習し、応用としてアーテックロボを用いた機械の企画・制作を実施しています。

赤外線フォトリフレクタを使用したライントレーサー

アーテックロボを使用した感想

同じパーツでも組み合わせによって完成形が変わるため、自由度が高く、学生の発想によって独創的な製品ができると感じました。プログラミングに関しても個々の習熟度によって対応することができるので、プログラミングが苦手な学生にはブロックプログラミングソフトを使用させることで苦手意識の克服となり、得意としている学生は Arduino言語で細かいプログラミングを行うことができました。また、一人ひとりの実習機材とすることで、自分だけの機器を作る喜びとプログラミングの楽しさの両方を常に感じながら実習することができました。

学生の発想で様々なセンサーカーを製作。
ロボットを使って子ども達に伝える「命の大切さ」
~ダンゴムシロボットを用いたキャリア教育の実践~
みえサイエンスネットワーク
鈴鹿工業高等専門学校 教授 大津孝佳先生
白子幼稚園 園長 田中育子先生

アーテックロボによる取り組み

複数のゴールがある迷路をつくり、ゴールにたどり着いたダンゴムシの数を数える実験を幼稚園児が行い、鈴鹿工業高等専門学校でデータを集約した結果、ダンゴムシの交替性転向反応(敵から逃げる際に、交替性をもち左右転向して遠くに逃げる習性)を示す結果となりました。

しかし、実験を行っていくなかでダンゴムシが弱ってしまう姿に気づいた園児たちから、実験するのはかわいそうだという声が出てきました。教師はダンゴムシの命を大切にしている園児たちの気持ちを受け止めながらも、「もっと知りたい」という興味関心も大切にしたいと考えました。そこで鈴鹿高専の協力を得て、アーテックロボで製作したダンゴムシロボットを使用することで問題解決することとなりました。

鈴鹿工業高等専門学校は日本動物学会の学会発表でロボットを幼児教育へ適用したことにより優秀賞を受賞、日本動物代替法学会でも命の大切さをロボットを使って子どもたちに伝えたことが評価され最優秀賞をいただきました。

ロボットの取り組みは子どもの興味を大切にするだけではなく、問題解決につながる創造力を育ててくれました。

ダンゴムシは4番と8番にはたくさんゴールしたのになんで7番にはゴールしないんだろう? 実験を繰り返すとダンゴムシが弱っていてかわいそう…ダンゴムシロボットを製作!