授業での使用方法
高校生が中学1年生のROBOTリーダーを育成し、制作のアドバイスを行うというテーマで、事前に「教科情報」を学んだ「ものづくり同好会」所属の高校2年生の生徒たちにより、放課後、ROBOTリーダーを育成。アームロボットカーや恐竜ロボットのティーレックスを共同で制作しました。制作したロボットは、木材加工の教材であるピタゴラ装置のスタートで、ロボットを操作しビー玉を落とす部分で使用し、その様子を各自がハイスピードカメラで撮影、自分の装置の全体の動きの動画と後で合成するという授業を行いました。
中学3年生の授業では『アーテックロボ計測と制御キットDX』をレンタルし、全員がライントレーサーを制作し、プログラミング体験ができるようにしました。
導入のきっかけ
一人ひとりにものづくりの楽しさを味わせたいというのがきっかけです。
すべての生徒がものづくりを体験できる教材を求め、世界中の展示会を視察。韓国・アメリカ・ヨーロッパ等に足を運び、その教材やテキスト等の実物に触れ、興味のわいたものは一部購入し使用してみました。その結果、最終決断をアーテックのレンタル教材にしました。
ブロックで組み立て、スクラッチベースのソフトによるアイコンプログラミングとブロックプログラミングができる環境など、学校現場のことを考えた環境が見事にネット上に準備されていたことに目を見張り、1台借りて生徒に何も指導せずに作らせたところ20 分ほどで完成できたため、使えるという感触を得ました。
わからないところは、ネット環境さえあれば細かな作り方の指導テキストがダウンロードでき、動画像配信で制作の様子を確認できるといった細やかな配慮がしてあることにも感心しました。さらに、学校の環境や授業のレベルに合わせ、追加ブロックを購入すれば、応用的なロボットの制作がさらに可能となることにも魅力を感じ、導入しました。
アーテックロボを使用した感想
やった。動いた。楽しい。そんな声が聞こえてくる教材と出会ったという思いです。
これまで50分の授業のなかでキットを組み立て、フローチャートの基本やプログラミング的思考の学習を行うのは困難かと思っていましたが、レンタルキットとテキスト及びインターネットから配信される入門編テキストを全員分印刷して作らせてみると、なんと20分~25分で全員が組み立てを完了し、課題の実験を行い、まとめることができました。
返却不要の学習テキストはカラー冊子のもので見やすく、生徒達にとっては興味関心を高めることができる教材でした。また、教師用の参考書付きであったため、教師の事前準備時間が削減でき、非常によかったです。
学習に効果的だった点
これまで、「プログラム学習となると難しくて、クラスの半分も理解できない」と嘆いていた先生方・生徒達の表情が、「楽しいね」という表情に変わる光景をあちこちで目撃しました。さらに、本学園においては、プログラミング的思考の学習をさせる映像教材をネットより探し出し、使用したところ「わかった」「なるほど」といった感想が得られました。
全国の先生方におすすめするポイント
中学校の技術の先生方は、プログラミングを指導するにはさほど抵抗はないかもしれませんが、心配するのは、2020年より実施される小学校の先生方がどのように子どもたちを指導してくださるかです。多くの学校から、プログラミングを教わった生徒たちが中学校に入学してくることを考えると心配でならないという声を聞きます。難しいからと躊躇するのでなく、楽しみながら作ってみると、なんだそんなに難しくないぞという気持ちに絶対なれると思いますので、あきらめないで挑戦してほしいです。
生徒たちの反応
授業が短く感じる、もっとやりたいという声が続出でした。ライントレーサーの組み立てやLED・ブザーといった基本的な課題が完了した生徒には、応用で追加ブロックを与えオリジナルロボットへの改良をすることを許可しています。一人で黙々と取り組む生徒もいれば、数名で意見を出し合いながら作り上げてゆく生徒達もいて、授業時間はあっという間に過ぎてしまいます。また、可能な限り授業の様子をビデオ録画し、次の年の教材となるように構築しています。